2013年2月5日火曜日

アジアが熱い? 日本企業が海外進出する理由なんて本当にあるのか?


またバンコクに一ヶ月滞在している新井です。バンコクにいらっしゃる方はお気軽に声をかけてください。ご飯でもご一緒しましょう。

こちらにいると「タイでビジネスをするつもりがあるのですか?」と良く聞かれますが、私はタイで本格的に事業を行うつもりは一切ありません。

個人が海外進出(放浪、留学、就職)するのに理由など要りません。面白そうだから、武者修行したいから、日本にいても行き詰まったから、そんな理由だけあれば十分です。しかし企業が海外に進出するには、利益があがると考えられる確かな理由が要ります。

大企業には海外進出するための様々な理由があります。市場だったり、税制だったり、労働力だったり、資源だったり、いくらでも理由はありますよね。

しかし中小・零細企業にとって海外進出というのは、かなり難しいものです。

一つには無数の壁が立ちはだかっていること、もう一つにはそもそも進出すべき理由が少ないことです。

進出の壁というのは、すなわちビザ取得の壁、法制度の壁、人脈がない壁、市場に入れない壁、壁を乗り越えるための資金がない壁などです。壁を乗り越えるには資金がかかり、中小企業にはなかなか厳しいものがあるかと思います。

進出すべき理由がないということは、案外皆さん気づいていない方が多くて驚きをおぼえます。

中小企業の資金力で、海外で大々的に市場参入などできっこないのですから、基本的にはビジネスの方向性は3つに絞られます。

1つは日本との間で貿易を行う貿易商。2つめは日本企業の進出にくっついて細かいサービスや工場などを提供するコバンザメ商法。3つめは現地の労働力や資源を活かして、製品やサービスを生産して日本や欧米にうっぱらうオフショア商法です。

中小企業が現地人向け市場に参入しようなどとは基本的に愚の骨頂です。そうした市場では現地人のほうが強いに決っていますし、大手資本でもなければ、市場に参入するだけの営業・販売・マーケティング・物流などの力を投入できないでしょう。

日本向けにITオフショア企業などをやっている会社もありますが、言葉の壁を考えると非常に大変そうだなあと思います。そんな人を使ってる暇があったら自分でコーディングしたほうが速いと思っちゃいますからね・・・

やはり手堅いのは、1.日本企業向けに不動産紹介(駐在員サポート)や人材紹介・育成などのサービスを提供すること 2.日本企業向けに部品の製造や貿易などの下請け仕事やオフショア製造(軽工業)をやる、の2種類ではないでしょうか。

いまだったらミャンマーに進出する日本企業にコバンザメのようにくっついて、サポートの仕事をするといったところが手堅いと考えられているようです。

それって私にとってはあまり魅力的ではないなー、と思いますね。日本企業の下請けをやると、思いっきりこき使われますからね。

「アジアがすごい成長している!」とか「アジアのマーケットをつかめ!」などという議論をしている人たちがいますが、そのマーケットをつかめるのは一部の大企業のみです。成長している国に住むことは楽しいですが、実際に事業として中小企業がアクセス可能なマーケットがどれくらいあるのか考えたほうがいいですね。

日本を代表するような大企業の人たちには、ばんばんアジアやアフリカや中南米に進出してどかんどかん勝負してほしいですが、中小零細企業にとっては海外進出は良い賭けとはいいにくいです。世界進出に賭ける熱い思いがあるなら是非やるべきですが、そうじゃないならやめときましょう。日本でやったほうが成功の確率は高いです。

日本にいながらだって世界と取引できる時代です。べつに中小企業が大上段に構えて海外進出しなくても、ニーズがあればお客さんが向こうからやってくるんじゃないですかね? うちのXCREAMもけっこうな割合の海外売り上げがありますからね。

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