2011年11月19日土曜日

経営の教科書の決定版: 60分間・企業ダントツ化プロジェクト

もし、あなたが経営書を一冊だけ読むのであれば、この60分間・企業ダントツ化プロジェクトをお勧めします。経営の本質が過不足なくきっちりまとまった教科書と言って良いでしょう。

著者の神田昌典さんは、これまでに数多くのベストセラーを著してきた有名なダイレクトマーケターです。その経営ノウハウを惜しみなくつぎ込んだのが、この本だと言えます。

世の中に、読んで面白い経営書はいくらでもあります。何らかの意味で参考になる経営書もそこそこあるでしょう。しかし一冊だけ本を読んで全容を把握できるような本は、これまでに無かったのだ、と思わされました。

本書では、戦略とは何か、商品戦略、顧客戦略、競合戦略、価格戦略、営業戦略、コミュニケーション戦略などの本質を一気に学ぶことができます。

この本には、偏った考え方や、一部の企業や事業にしか適用できない点がなく、全ての事業にたいして適用できる極めて正統的な本質が書かれているので、誰にでも安心して薦めることが出来ます。

またベストセラー著者の神田昌典さんが書いているので、文章も大変読みやすく、誰でも苦労なく読み通すことができるでしょう。

初心者から上級者まで、全ての経営者にお勧めです。とくに初心者やこれから起業する人は必ず読むべきでしょう。


以下は復習用の要約です。読み終わって復習したい方はどうぞ。

第一章: 戦略は足し算ではなく、掛け算からうまれる。

- 戦略が間違っていれば忙しくて儲からない会社になる。
- 戦略のある会社は楽して儲かる。
- 戦略とは選択すること。そして優先順位をつけること。
- 60分で戦略をつくれない経営者は10年経っても戦略をつくれない
- 戦略はかけ算であるので、一つでも0点の要素があれば全体が0点になる

第二章: 商品(1) ライフサイクル分析

- いまの日本で松下幸之助がエアコンを売って億万長者になれるか?
- 商品にはライフサイクルがある。導入期、成長期、成熟期の3つ。
- 成長期にさしかかった商品が一番売れるし、儲かる。
- 導入期は冬の時期であり、売れないし、失敗の確率も高い。
- 最近は商品ライフサイクルが短いので、導入期に参入する必要もあるが難しい。
- 商品ライフサイクルの計算をして、事業の寿命を予測する。

第三章: 商品(2) さらに3つの分析法

- 黙っていても売れる「上りのエスカレーター」に乗れる商品を選ぶ。
- その商品を待っている顧客がどのぐらいいるか?
- 商品コンセプトが顧客に伝わるか?
- その商品を入り口に、その後、広がりを持つか?
- 分析1: ニーズ(必要性)とウォンツ(欲求)はどれくらいか?
- 分析2: 直感的に理解できるか? 使いこなせる自信があるか?
- 分析3: 水平展開しやすい? 垂直展開しやすい?
- 「使ってみれば分かる」商品は、下りのエスカレーター
- 効果的なネーミングをする

第四章: 顧客 - 理想の顧客に出会う方

- 顧客を選ぶ会社は、顧客に選ばれる。
- 顧客を選ばない会社は、顧客にも選ばれない。
- 説得しないで買ってくれる理想の顧客は誰か?
- 理想の顧客を獲得するコストを下げるにはどうしたらいいか?
- 顧客を連れてくる、影響力のある顧客は誰か?
- 分析4: どういう顧客がどれだけのニーズとウォンツを持つか?
- 分析5: 見込み客特定の難易度は? 価格に対する営業コストは?

第五章: 競合 - 愚者は俺ならできると考える。賢者は愚者でもできることをやる。

- 最強の競合戦略とは、戦わないことである。
- のんびりしながら儲かってる市場を探す。電話帳の厚いところを見る。
- 分析6: 市場の成熟度、商品スイッチの難易度
- 分析7: 顧客から見て競合より魅力的な商品か? 優位性を簡潔に伝えられるか?
- 優位性を簡潔に表わす表現(USP)を作る。
- 分析8: 顧客から見て、価格の明朗性は? 価格の妥当性は?
- 分析9: 参入障壁は高いか? 撤退コストは高いか?
- 事業を始めるときには、撤退するときのことを考える。

第六章: 収益シミュレーション

- 顧客獲得コストとは、日本の1億3000万人の中から見込み客を探して買わせるコストである。
- 顧客獲得コストはいくらなのか、顧客の生涯価値はいくらなのか。
- 顧客から短期間に得られるキャッシュと、顧客獲得コストを比べてみる。
- 頻繁なリピート購買が期待できる商品なら、粗利率は7~8割以上なければならない。
- 頻繁なリピート購買が期待されない商品なら、初回購入の粗利額は10万円以上なければならない。
- 分析10: 購買リピート性と粗利率・粗利額は?
- セールスに使いやすい媒体と特徴 (本書 pp.231-235)
- ライフサイクル季節別にメッセージ伝達方法を変える

第七章: タイミング - 害虫になるか、それとも天使になるか?

- 営業マンは声をかけるタイミングによって害虫扱いされたりも天使扱いされたりする。
- 顧客獲得コストが下がるタイミングというのがある。そのときに一挙獲得する。
- 分析11: 購買タイミングは把握しやすいか? 購買頻度は高いか?
- 理想の世界と現状を埋めることが戦略発想の根源。理想の世界を想像してみる
- 分析12: 顧客はその商品のことを日常的に考えているか? 差し迫った必要性はあるか?

第八章: メッセージ - 購買欲求をシステマチックに高める方法

- 顧客の購買欲求と必要性をシステマチックに引き上げる。
- 顧客が怒り・悩み・不安を感じる場面を、五感をを使って描写する。
- 分析13: 問題を視覚化しているか? 問題を焦点化しているか?
- 分析14: 行動に対する障害・不安は大きいか? 自己正当化は容易か?
- 行動するメリットだけではなく、行動しないデメリットを感じさせる
- 現状の危険性を認識させること。
- この方法を適用すると、インチキ商品ですら売れるので危険もある。

最終章: 統合 - ヒラメキは、集中した思考の後に降ってくる

2 件のコメント:

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

    返信削除
  2. これ、いい本ですよね。
    私も今3週目です。
    好きな本は何度も読むので。

    返信削除